(LEDとは、LEDの種類と構造、LEDの歴史、LEDの特長、白色LEDの発光方式、LEDの寿命等)
LEDの基礎知識
LEDとは、「発光ダイオード」と呼ばれる半導体のことで、“ Light Emitting Diode ”の頭文字をとったものです。
1993年に窒化ガリウムをベースにした高輝度青色LEDが実用化されたことにより、白色LEDが実現し、第4の照明用光源として注目されています。
LEDとは
LEDとは「発光ダイオード」と呼ばれる半導体のことで、“Light Emitting Diode”の頭文字をとったものです。LEDはこれまでの白熱ランプや蛍光ランプ・HIDランプとも違い、特殊な構造をもつ物質に与えた電気エネルギーが直接光に変わるという新しいしくみ(+の性質をもつ物質と、ーの性質をもつ物質の接合部で発光する)の光源です。すでに1907年にはこうした現象は発見されていましたが、白色光を得るために必要だった明るい青色LEDが1993年に開発されてから、新しい照明用光源として注目されるようになりました。近年はその改良もめざましく、蛍光ランプ並の発光効率をもつ白色LEDが登場してきました。
LEDの種類と構造
LEDそのものの発光原理は基本的に同じですが、形状で分類すると次のようなものがあります。
1)砲弾型LED
リードフレームと一体化形成したカップ内にLEDチップを実装し、カップ内に蛍光体を分散させた樹脂を封入して、その周りを砲弾型にエポキシ樹脂でモールドした構造です。
2)表面実装型(SMD)LED
セラミックや樹脂などで成型したキャビティの中にLEDチップを実装し、キャビティに蛍光体を分散させたエポキシやシリコーンなどの樹脂を封入します。キャビティ内側の面には反射板の機能があり、多くの光を取り出せる構造です。
LEDの歴史
LEDは1907年に固体物質に電気を流すことで発光する現象が報告されてから、表示用途で実用化されてきましたが、1993年に青色LEDが開発されて光の3原色である赤、緑、青のLED光源が揃いました。1996年には青色LEDと黄色蛍光体による白色LEDが実現し、発表され、その後多くの改良が加えられ、現在では省エネ用照明光源として期待されています。
LEDの特長
LEDにはこれまでの光源にはない、様々な特長があります。LEDは長寿命が大きな特長です。
また、LED素子は小さく光の制御が容易で、器具も小形化でき、従来にないデザインの器具設計ができます。LEDの光には可視光以外の放射がほとんどありませんので、熱に弱い被照射物などへの照明や、紫外線放射による色あせなどが心配なデリケートな被照射物への照明に適しています。既存光源はガラス管を用いているため振動や衝撃に弱いですが、LEDはガラス管を使用していないので、割れる心配がないなど、安心・安全の器具です。LEDは器具の小形化・長寿命など廃棄物の削減が可能で環境に有害な物質を含まないなど、環境保全に貢献するあかりです。
白色LEDの発光方式
LEDで白い光を作る代表的な方式は次の3種類です。
1)光の3原色のLED(赤色・緑色・青色)を組み合わせる
見た目には白色光が得られますが、放射エネルギーのない波長域があるために、物の見え方が不自然になることもあります。一般的には品物を照らす照明ではなく、光を直接見せるディスプレイや、大型映像装置などに使われます。
2)近紫外線または紫色LEDにより、赤色・緑色・青色の蛍光体を光らせる
3波長形蛍光ランプと同じ発光方式で、青色よりも波長の短いLED光源で、赤・緑・青の蛍光体を励起させます。きれいな白色が得られる特長がある反面、発光効率の向上が課題です。
3)青色LEDにより、黄色蛍光体を光らせる
3方式のなかで一番発光効率が高い方式です。LEDの青色光と、その光で励起される補色の黄色を発光する蛍光体の組み合わせで白色を作り出しています。赤色領域の不足を指摘されていますが、不足しがちな赤色や青緑成分を補った改良型も近年開発されています。
LEDの寿命
LEDは固体発光方式のため、従来の光源のようにフィラメントの断線により不点灯になることはほとんど起こりませんが、使用材料の劣化などにより、点灯時間の経過に沿って徐々に光量が減少していきます。LEDの寿命につきましては、(社)日本照明器具工業会が2005年7月に制定した技術資料134「白色LED照明器具性能要求事項」の中で、「一般用照明器具の光源として使用する場合のLED寿命は、全光束が初期全光束の70%、または光度が初期光度の70%に低下するまでの時間とする」と定義しています。T.LEDsではこれにならい、独自の評価技術を用いて初期全光束の70%に達した時を寿命として表記しています。この数値につきましてはあくまでもLEDの設計寿命であり、その寿命を保証するものではありません。照明器具の寿命につきましては、従来光源を使った商品と同じです。
LEDの光色・明るさのばらつき
LEDは複雑で微妙な製造工程を経て作られる半導体製品で、そのために光量や波長にばらつきが生じることは現状ではやむを得ない状況です。また白色にするために、蛍光体を塗布する際にもその量にばらつきが生じるなど複合的な要因があり、従来光源にくらべて大きなばらつきがあります。そのため、個々のLED素子、モジュールごと、製品の製造時期などにより光色、明るさが異なることがあります。カタログ表記の光束値、色温度、照度分布、配光などの数値は参考値であり、その値を保証するものではありません。目安としてお考えください。
LED器具の効率
照明器具の経済性を考えるとき、光源だけの効率ではなく照明器具の電気的効率や光学的効率などを総合的に考える必要があり、照明器具から取り出される光束を消費電力で割った値を総合効率といいます。従来光源を使った照明器具の場合を含め各種の製品を比較するときは、総合効率を用いて正しく比較することが大切です。
LED器具の発熱
LEDの発する放射自体にはほとんど熱線が含まれていませんが、LED自身、照明器具、または電源ユニットからは発熱しています。
これを効率よく放熱することはLEDの寿命に大きく影響します。そのために取り付けの際に、密閉した空間や断熱処理された箇所、熱源のそばや器具同士を近接して設置する場合など制約が生じることがありますので、事前に商品仕様書(図面)などでご確認ください。