LEDの発光原理
LEDは電気を流すと発光する半導体の一種。ではどうして光るのか、簡単に説明しましょう
LEDチップに順方向の電圧をかけると、LEDチップの中を電子と正孔が移動し電流が流れます。移動の途中で電子と正孔がぶつかると結合(この現象を再結合という)し、再結合された状態では、電子と正孔がもともと持っていたエネルギーよりも、小さなエネルギーになります。その時に生じた余分なエネルギーが光のエネルギーに変換され発光します。これがLEDの発光原理です。
LEDの発光色
LEDにはどうして赤や青、緑の光を発するものがあるのでしょう。その秘密はLEDチップに使われる化合物にあります。Ga(ガリウム)、N(窒素)、In(インジウム)、Al(アルミニウム)、P(リン)など、半導体を構成する化合物によって、放出される光の波長が異なります。
光の波長は下にも示すとおり450nm前後が青色、520nm前後が緑色、660nm前後が赤色に見えます。この波長の違いが、LEDの発光色を決めているのです。白色光は2色以上の光を混ぜて白色に見せる手法をとりますが、補色を混色するより、赤、青、緑の3原色を混色したほうが、より自然な白色に見えます。
LEDの寿命
LEDは半導体そのものが発光するという特性上、白熱灯のようにフィラメントが切れて点灯しなくなることはありません。しかしLEDチップやチップを封入している樹脂などの素材が劣化することにより、使用とともに光の透過率が低下し、光束減退が生じます。LEDの器具寿命は、光束減退により光束維持率がある一定以下になるまでの点灯時間を表しています。従来の寿命の定義は、表示用途が中心だったため、視認性が確保できる「光束維持率50%」でした。しかしLEDの研究開発が進み本格的な一般照明器具用途への可能性が高まってきたことに伴い、今回「照明に用いられる白色LEDの寿命定義」を、蛍光灯と同じ「光束維持率70%」に変更しました。(カラーLEDについては、従来通り光束維持率50%が寿命となります。)
従来LED問題点
電流を増やせば出力(明るさ)がアップしますが、同時に樹脂が劣化し、寿命が短くなります。