・改正の背景・趣旨・目的
我が国は、京都議定書の目標を確実に達成するとともに、中長期的にも温室効果ガスの排出量を削減することが求められています。
温室効果ガスの約九割はエネルギー起源の二酸化炭素であり、一層の地球温暖化対策の推進のため、省エネルギー対策の強化が求められています。
また、エネルギー資源の大部分を海外に依存している我が国において、最近のエネルギー価格の国際的な高騰に対応するため、国民経済全体として更なる燃料資源の有効利用を図り、国民経済の負担増を緩和することが求められています。
特に近年のエネルギー消費傾向を見ると、業務・家庭といった民生部門においてエネルギー使用量が大幅に増加しています。
こうした状況を踏まえ、これまで重点的に省エネルギーを進めてきた産業部門の工場だけでなく、民生部門においてもエネルギーの使用の合理化を一層進めるため、省エネ法の改正法案を通常国会に提出し、審議された結果、平成20年5月30日に公布されました。
・改正の概要
これまで一定規模以上の大規模な工場に対しエネルギー管理の義務を課していましたが、改正により事業者単位のエネルギー管理を義務づけることとしています。また、一定の要件を満たすフランチャイズチェーンについても、チェーン全体を一体として捉え、本部事業者に対し、事業者単位規制の規制と同様の措置を講ずることとしています。
これにより、業務部門に多く見られる中小規模の事業場を数多く設置する事業者を新たに義務の対象に加えるとともに、産業部門を含め、事業者の経営判断に基づく効果的な省エネルギーの取組を推進していきます。なお、平成20年度の改正法の工場・事業場等に係る措置は、平成21年度におけるエネルギー使用量に基づき平成22年度から実施されますが、それまでは改正前の省エネ法に基づく措置が継続します。
エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律の概要
○地球温暖化対策の一層の推進のためには、大幅にエネルギー消費量が増加している業務・家庭部門における省エネルギー対策を強化することが必要。
○そのため、省エネ法を改正し、オフィス・コンビニ等や住宅・建築物に係る省エネルギー対策を強化する。
対策1.業務部門等に係る省エネルギー対策の強化
事業者単位の規制体系の導入
<改正後>
①事業者単位(企業単位)のエネルギー管理義務を導入。
②フランチャイズチェーンについても、一事業者として捉え、事業者単位の規制と同様の規制を導入。
これらにより製造業を中心とした工場だけでなく、オフィスやコンビニ等の業務部門における省エネルギー対策を強化。
その他の措置
各企業の省エネルギーの取組については以下の状況を勘案して総合的に評価することを規定。
・業種毎の省エネルギーの状況(セクター別ベンチマーク策定)
・複数の事業者が共同して省エネルギーを行う取組(共同省エネルギー事業)
対策2.住宅・建築物に係る省エネルギー対策の強化
①大規模な住宅・建築物に係る担保措置の強化(指示、公表に加えて命令を導入)。
②一定の中小規模の住宅・建築物も届出義務等の対象に追加。
③住宅を建築し販売する事業者に対し、住宅の省エネ性能向上を促す措置を導入(多数の住宅を建築・販売する者には、勧告、命令等による担保)。
④住宅・建築物の省エネルギー性能の表示等を推進。
これらにより家庭・業務部門における省エネルギー対策を強化。
詳細は、
http://www.meti.go.jp/